ゲッカヨの歴史

ゲッカヨとは1979年創刊の楽譜雑誌「月刊歌謡曲」のことで、 のちに正式名称も「ゲッカヨ(Gekkayo)」となった雑誌のことである。ギターを弾こうとしてFコードが押さえられなくてくじけがちな中高生初心者 あたりを中核読者層として長年発行されてきたが2013年末に休刊(廃刊)。

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現在は編集ユニット「ゲッカヨ編集室」 として活動。「コード10個でギター弾き語り」などのムックを不定期制作している。楽譜は配信サイト「アットエリーゼ」にて不定期配信中。

【ゲッカヨの歴史】

創刊は1979年。大半はブティック社より発行。
当時は「歌謡曲」全盛時代だったがゆえにこの誌名に。

しかし90年代頃には「歌謡曲」というジャンル自体が縮小、 若い世代に向けた音楽は「J-POP」と呼ばれるように。
90年代とともに、編集長で清水りょういちが参加。 くしくもその時代はカラオケBOX黎明期。大半がコンテナを 利用して作られていたカラオケBOXを、積極的に取り上げる。

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そしてJ-POP中心の誌面にリニューアル。それが大当たりして 爆発的に売れ、そのおかげで清水りょういちは編集長に。
当時は邪道と呼ばれたつんく率いるシャ乱Qや THE YELLOW MONKEY、小室哲哉の手掛けたtrf(TRF)などを いち早く取り上げると同時に、中西圭三やGAOなどのロック雑誌では扱いにくい ポップスジャンルを中心に誌面を構成。

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またイラスト関連でも読者ページ「ふりー・とーきんぐ」にて アーティストネタのイラストや4コマを積極的に掲載、 最盛期は読者ページだけで10ページをこえるボリュームを実現し、 一冊まるごと読者の投稿イラストという「らくがきKING」も刊行。

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当時流行していたのはCHAGE&ASKAや浅倉大介のユニット・access。 さらにビーイング系と呼ばれるB’z、WANDS、ZARDの楽曲なども 先陣を切って掲載していた。

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2000年代に入るとヒップホップやテクノなどのジャンルも 掲載するようになり、m.c.A・Tなどをいち早く取り上げる。 後年はそこからさらにヴィジュアル系雑誌としての側面も見せ、 Dir en grey(当時)やPENICILLIN、Gacktが表紙を飾り始める。

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他にもアニメソングが人気を博す中、史上初のボーカロイド曲楽譜掲載も実現。JASRAC登録されていない同人曲掲載も、その権利保持者であるボカロP個人に直接許諾を得ることで掲載、好評を得た。

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別冊として「ボーカロイド名曲100選」「Gekkayoボーカロイドfan」(ブティック社)などのボカロ曲雑誌も刊行した。また、それまで存在しなかったボーカロイド曲のバンドスコア集「ボカロ★バンドスコア」(シンコー・ミュージック)も刊行し、並みいるJ-POP勢を抑えて、一時期バンドスコア売上で1位を記録した。
それと同時に今では大人気のゴールデンボンバーも初表紙で登場させるなど、ヒットの兆しがあるものを果敢に取り上げてきた。

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だが音楽シーンのヒットソング不足はいよいよ本格化し、2011年をもってブティック社から発売されていた「ゲッカヨ(月刊歌謡曲)」は休刊となる。

しかし翌2012年、出版元をシンコー・ミュージックに変え、間を空けずに「Gekkayo Vol.1」として復刊。

   

継続して刊行を試みるが、またしても2013年に「Vol.5」まで刊行したところで、再び先の刊行が未定になった。

  

Vol.4刊行時点で、編集部機能を持っていた有限会社ゲッカヨ・エンタテインメントも解散、消滅。現在は個人事業主・葉子(妻)が「ゲッカヨ編集室」を立ち上げ、編集長と妻(兼 副編集長)の二人体制でめおと編集ユニット「ゲッカヨ編集室」として「ベストヒット大全集2013年版」、特集主義に装いを変えたシリーズムック「別冊ゲッカヨ」シリーズを刊行。

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しかしこの「ゲッカヨ Vol.5」(2013年末発行)をもって、残念ながら休刊(廃刊)。34年の歴史についに幕が閉じた。

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一応それまでの編集業務で得た作詞に関する知識をまとめた、編集長による著書「J-POP作詞術のウラ技☆オモテ技」(シンコー・ミュージック)
も同時期に出版。

その後編集長だった清水りょういちは、ライターとしても活動開始。清水葉子は「おためし新商品ナビ」編集長に。活動内容は「ライター/編集業務一覧」にて随時更新中。

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