ロック独特の肌触りと匂いを撒き散らす若き才能、ザ・ストライプス●インタビュー付

Gekkayoニュース
the Strypes press shoot

ロック、中でもロックンロールのルーツはブラックミュージックにある。直系となるのはブルースをベースにリズムをアッパーに変化させたリズム&ブルース(略すとR&Bなのだが、R&Bと書くと日本ではソウル・ミュージックの意味合いが強くなることもある)。そしてさらにそれをスピードアップさせるとロックンロールと考えてもらうのがいいと思う。

そうしたR&Bの影響を受けていないロックンロール・バンドを探すほうが難しい。一番有名なところではローリング・ストーンズ。もちろんビートルズも影響を受けている。

そうしたロックの魂をティーンエイジャーの段階で受け継いだのがザ・ストライプス。ザックリとした肌触りの骨太のロックンロール・グルーヴとストレートな楽曲が魅力の彼らが、20代に突入し、より深みあるロックを聴かせてくれるのが待望のセカンド・アルバム『リトル・ヴィクトリーズ』(2015年7月15日発売)だ。

 

The Strypes – Get Into It

 

 

先行シングル「ゲット・イントゥ・イット」では初期レッド・ツェッペリンを思わせるハードロック寄りのビートも聴かせてくれた彼ら。

そうした硬質なロックンロールチューンを核に据えた上で、重めのシリアス感みなぎる「ア・グッド・ナイツ・スリープ・アンド・ア・キャブ・フェア・ホーム」やスピード感あふれる「ベスト・マン」までこなしたかと思えば、泣かせのバラード曲「(アイ・ウォナ・ビー・ユア)エヴリデイ」やポップさの弾ける「クルーエル・ブルネット」まで盛り込んでくるのが素晴らしい才能。彼らの楽曲制作能力の高さを感じさせる。

 

今回はそんなザ・ストライプスのインタビュー!

 「ずっと18才でいるわけじゃないさ。誰もが変わってく。それだけのことさ」(Josh)

●今まで数多くの国でライヴなどで得た様々な経験。そうした経験は曲作りに影響している?
Josh: そうだな、影響を与えてるといえば、ツアー中ずっと故郷を離れてたってことだな。今回のアルバムはそういったことが曲になってる。サウンド的には2年前に聴いていたものとは違う音楽を聴いている分だけ前進してると思うよ。
●新しい音楽はどうやって知るんですか?
Evan: メンバー同士で教えあったり、既に好きなバンドのことを調べていく内に、彼らが好きな音楽や影響を受けてる音楽を知ったり…。
Pete: 誰かに聴いてみろと言われて、実際聴いてみたら好きになったり。
Josh: インターネットの影響は大きいな。YouTubeSpotifyなどで新しいバンドを見つけてるから。
Evan: そうそう、ネットはすごく便利だな。
●先輩ミュージシャンの中で、誰があなたたちに良い刺激を与えましたか?
Pete: アークティック・モンキーズの仕事に対する意識は勉強になった。2013年の冬に彼らの前座をイギリスでやったんだけど、いい加減なところは何ひとつなくて、目の前の仕事をちゃんとこなしてたから。
Josh: あれほど成功していても横柄にならないでいられるってことを学んだな。彼らは全員堅実で、自分もそうなりたいね。
●彼らから何かアドバイスをもらいました?
Josh: いや、もらってない。
Evan: アドバイスはないな。
Josh: それってつまり他人の意見は聞くなってことじゃないか? 俺たちは普段からそうしてる。他のメンバーの言うことさえ聞かないくらい(笑)。
●今回のレコーディングでチャレンジした部分は?
Josh: 俺は「スカムバッグ・シティー」でボンゴを叩いてる。
Pete: グループでいろんな箇所でパーカッションを叩いてるんだ。ある時なんてレコーディング・ルームに8人が集まって違うパーカッションを演奏したりして、なかなか面白かった。
Ross: 俺はパーカッションとしてテーブルを叩いたし。
Pete: 俺はギターをプレイしたんだけど、実際のアルバムには使われなかった。頑張ってみたけど、ダメだった(笑)。
Pete: あと違うプロデューサーと作ったっていうのも違った経験だったね。場所も違って、アイルランドの農場の中にあるスタジオじゃなくて、ソーホーだった。
Josh: ああ、それは大きかった!
Pete: ロンドン!
Josh: ロンドンにいて、外に出るとソーホーでさ。外は賑わってて、刺激的だったな。
Pete: 地下にあるスタジオで、二段続きの階段を降りたところの地下だったんだけど。地上が世紀末でゾンビがいてもわからないようなスタジオだけど、外に出るとロンドン。不思議だったね。
●先行シングル「ゲット・イントゥ・イット」はロックンロールのカッコ良さがダイレクトに伝わってきます。
Josh: 曲作りは幾つものドラム・ループを作っていて、それに合わせて歌詞も作ってた。リズムに合わせて歌詞を書くのが好きだからね。そう、男たちがFacebookやテキスト・メッセージで女の子たちと会話してるんだけど、現実にはそうは出来ないという内容だ。それだけ。バンドで演奏してみたらツェッペリンみたいなサウンドになった。
●7月には日本でのライヴが予定されてますが、期待していい?
Josh: 前回と変わらないよ。
Pete: ニュー・アルバムからの曲もやるし、18ヶ月前にリリースしたファースト・アルバムからのゴールデン・オールディーズも演奏するよ(笑)。
Josh: 相変わらずの速いペースで、たくさんの汗とたくさんの曲だ。
Pete: 大げさなイデオロギーなんてない、マジでやるだけだ。ギグをやるのに、ああだこうだ理由は必要ない。ただギグをやるだけなんだ。
●日本のファンの皆さんに、この新作の聴きどころを教えてください。
Ross: 全部だね。最初から最後まで。
Pete: 全曲買ってくれよ。2曲だけなんてダメだ(笑)。でないと、俺たちが無駄な時間を過ごしたことになる。
Ross: そう、意味がなくなる。
Pete: 無意味だ!
●自分たちでこの『リトル・ヴィクトリーズ』を作り上げてみて、前作に比べて進歩した、その理由は?
Pete: 自然の成り行きさ。進歩して、新しいことをやって、新しいアルバムを作る。同じことばかりやってたら退屈だろう?
Josh: ずっと18才でいるわけじゃないさ。誰もが変わってく。それだけのことさ。
Evan: 意識してなるわけじゃない。自然とそうなるんだ。誰でもそうだろ。
Josh: 俺たちは、どうしてこんなことになるのかなんてことをそんなに考えてるわけじゃないんだよな、正直言って。
Evan: そう、この質問にも深く考えて答えてるわけでもないのさ(笑)。

(取材&文・妹沢奈美)

ザ・ストライプス●プロフィール 2011年に結成され、ティーンエイジャーならではの初期衝動あふれるR&Bベースのロックンロール・サウンドですかさず人気となったアイルランド出身の4人組ロックバンド。[メンバー]ロス・ファレリー/Ross Farrelly(リードVo&ハーモニカ)、ジョシュ・マクローリー/Josh McClorey(G & Vo)、ピート・オハンロン/Pete O’Hanlon(B&ハーモニカ)、エヴァン・ウォルシュ/Evan Walsh(Dr)。2013年に発売されたファースト・アルバム『スナップショット』は日本でもヒットした。
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