音楽専門学校生でもビートルズ認知率は1割という現実は本当に衝撃か

先日以下の記事がニュースになっていた。
暗に「最近の若い者は…」と言いたいのではないかと勘ぐってしまう。

音楽専門学校生 ビートルズ認知率は1割、生主が人気

先日、東京ドームほかで来日公演を行なったポール・マッカトニーといえば、言わずと知れたビートルズの元メンバーだが、音楽専門学校で教鞭を取る40代の男性は、同校の新入生のビートルズ認知率に衝撃を受けたという。 男性は、ミュージシャンとして活動するかたわらレコーディング・エンジニアとしても活躍する人物(略)
情報源: 音楽専門学校生 ビートルズ認知率は1割、生主が人気 – 夕刊アメーバニュース

この専門校生たちは、アニメソングと生主が放送内で繰り広げる音楽ばっかり聴いていたんだとか。なるほど、今どきの音楽行動としては珍しくないかもしれない。

ビートルズさえ学んでいれば安心という価値観の崩壊

ポップスの基本はビートルズ、というのは昔から暗黙の了解としてあった。
音楽の世界ではビートルズを聴かずに音楽を作ることは半ば反則という掟のようなものが存在した。
ただそれもそろそろ解禁かな、と私は思う。

というのも、ビートルズを基礎とするポップスが流行らなくなったから。
大衆に受け入れられやすい音楽を作るのがポップスならば、近年はそうしたビートルズ作法で作られた音楽からヒット曲がほとんど生まれていないことを考えると、そろそろポップスの基本としての役割は終わったんだと思う。

もちろん音楽の価値がなくなったわけではない。しかしポップスの教科書としてはいささか古くなってしまったというのが真実だろう。

音楽は時代背景を含めて楽しむことしか出来ない。
その時代に生きた人にとっては、大いなるインパクトだったこともわかる。しかしそれは下の世代に押し付けることではない。
ビートルズでもローリング・ストーンズでもレッド・ツェッペリンでもいいけれど、それが最高だと思う気持ちは、同世代の前だけで発表するものだと思う。

音楽家を目指す上でたどりやすいレールが破壊されてしまった

今の混迷した音楽シーンでは、全く新しい素養が求められるのは自然なことだ。過去の音楽家へのレールというものはすでに粉々に破壊されてしまったんだと私は思う。

悪いこと? いや、全然そんなことはない。決められた道順が失われただけのこと。ただそういう意味で言えば、過去の遺産をもとに授業が展開される音楽専門校で学ぶということ自体もプロへの道へ直結すると考えにくいものになったと考えるのが妥当。

知識は必要だが、インターネットの発達でたいていの情報は個人が自分で勉強することが出来る。知識を目的に学校に通った時代は終わったんだと思う。ただそこには同じ夢を追う仲間がいるので、出会いの場としてはまだまだ意味があるとは思うけれど。

ビートルズさえきっちり学んでいれば、そこそこ音楽の仕事につける時代がかつてあったことも事実。
今だって年上の人とともに音楽を作る機会があるなら、自分の意思を伝えるコミュニケーションの場で役に立つことは確かだろう。

ただアニメソング最高という価値観も、いずれは終わる。
その時に下の世代に「アニメソングを聴け」と言い出すなら、ビートルズおやじと呼ばれる人々と同じになってしまうから注意したい。

この記事の著者

編集長(夫)

「ゲッカヨ・オンライン~月刊歌謡曲●電子版」編集長。元・音楽雑誌「ゲッカヨ(旧・月刊歌謡曲)」編集長。現在はエンタメ〜商品レビュー、政治経済まで扱うライター業がメイン。「おためし新商品ナビ」編集も担当。

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