奄美でファンキーナイト! 竹内朋康率いるMagic Number のどろどろ熱々グルーヴにどっぷり浸る

Magic Number

奄美大島の、とくに中心地の名瀬でロック/ポップス系音楽ファンの聖地ともいうべきライブハウスがRoad House ASIVI(アシビ)

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ここを訪れずして奄美の音楽シーンを語ることなかれって感じのところなので、行ってきた。

当日開催されていたのは「Magic Number in ASIVI」(2014年7月5日)というファンキー系のライブ。

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出演はMagic Numberというグループで、それは知る人ぞ知るファンキー・カッティングギターの魔術師・竹内朋康たけうち・ともやす)が中心となるグルーヴ最高なファンク・スタイルのインスト系グループ。
竹内朋康はハナレグミが在籍した日本が誇るファンクバンド・SUPER BUTTER DOG(スーパーバタードッグ)のギタリストでRHYMESTERのMummy-Dとのユニット・マボロシでも知られるファンクシーンのキーマンだ。

そんな彼が、


HIPHOP系インストという独自の路線を生み出したキーボーディスト・タケウチカズタケ
SUPER BUTTER DOG時代の盟友ベーシスト、TOMOHIKO a.k.a. HEAVYLOOPER
一見ケンコバかと思うけどファンキーなサックスプレイで圧倒する
日本ファンクインストの雄・MOUNTAIN MOCHA KILIMANJAROでも知られる栗原 健
おなじくM.M.K.からグルーヴィンなドラミングの岡野tiger諭
まるで住んでるのかと思うくらい常に奄美の音楽シーンに頻繁に登場する、80年代サブカルシーンを牽引した無国籍ロックバンド・PINK、BLANKEY JET CITY浅井健一のバンド・SHERBETSを経て今では奄美シマ唄系音楽への参加も多い百戦錬磨のパーカッショニスト・スティーヴ エトウ
といういぶし銀のメンツを従え、
ヴォーカルには椎名林檎の兄でありながら独自のR&Bスタイルを追求し続ける実力派ヴォーカリストの椎名純平
本人もいうとおり和田アキ子的ソウル歌唱がダイナミックな女性ヴォーカリスト・Meg
ゴスペル唱法を下地に持ちメジャーシーンでも『CHANGE』『LOVE 〜winter song〜』などのヒット曲で知られる女性ヴォーカリスト福原美穂

という3人のヴォーカリストとともにファンキーな夜を展開するというから期待は高まるばかり。

 

ほぼ満員のスタンディング状態の客席に対して、オープニングアクトに登場したのはサーモン&ガーリックwithアニョ
ファンキーなビートとグルーヴを叩き出しながら、三線(三味線)を弾きつつ歌うサーモンとパーカッションを叩きながら歌うガーリックとの軽妙な笑いの絶えない奄美言葉でのやりとりが特徴のコミックバンド的立ち位置のバンド。
楽曲は奄美のシマ唄を題材にしているのだが、ときたま伝統を大切にするおじいさんに怒られるというのがわかる、グルーヴ渦巻くかっこいいファンクスタイルとシマ唄の融合。

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しゃべる、笑わす、盛り上げるという三点セットとドロッとしたファンク・ビートが混じり合うこの世界はかなり唯一無二。
余興文化が異様に発達している奄美大島ならではのスタイルなのだろうけど、おもしろくてかっこいいのはやっぱり無敵なんだなと感じさせる。
ちなみにドラムを叩いているのがこのライブハウスの経営者( 憲吾 氏)というところもまた素晴らしい。

 

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そうして始まったのがMagic Numberのステージ。
そこで展開されるのは、まさにグルーヴの嵐。変幻自在にアクセントを変えて叩き出されるドラムのビートにベースの重低音が絡んで、竹内朋康の華麗なギターカッティング・プレイがはじまるともうそこはめくるめくファンクワールド。
オルガン系の音も巧みに入れ込むキーボーディストのタケウチカズタケのプレイもクールな熱さにあふれている。

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序盤はヴォーカル抜きのインスト大会。手に汗握るリズムの応酬についつい虜になってしまう。控え目に始まり、段々グルーヴを重ねることによって音圧を高めていき、引っ張りに引っ張った後にズイッとサックスとギターが前に一歩踏み出してバーンと炸裂するインスト・ファンクの醍醐味をたっぷりと味合わせてくれた。

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そして後半になるとヴォーカリスト三羽ガラスが登場。ソウル/ファンクの名曲を取り混ぜながらさらに客席を盛り上げていく。

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椎名純平はかつてよりもヴォーカルスタイルをストレートなかたちに変化させ、

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Megはダイナミズムを前面に押し出した歌唱、

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福原美穂はR&Bの名曲バラードナンバーを力強く歌いきり、南国の夜を盛り上げる。

奄美大島の夜にはハネたリズムのファンクがよく似合う。お客さんのテンションも福原美穂いわく「圧(力)がすごい!」と叫んでしまうほどの盛り上がりよう。

ステージも長丁場となり深夜に及んでいくが、帰っていく人はほとんどいない。そう、ここに終電はない(電車がないから)。
従って思う存分お客さんもファンクのビートに長いこと浸り続けられるわけだ。

ステージがハネた後もメンバーは客席に残りお客さんとお酒混じりの交流。あちらこちらで音楽の話題が弾む。

近年東京方面ではライブハウスといっても終演後に残れる店は少ない。
すかさず清掃のスタッフが入ってきて、用がないなら早く退場することをすすめられる。

これは近年感じている疑問だった。確かに店側にしたら用という用じゃないかもしれないが、残っている客同士が感動を共有して分かち合うタイミングは、終演後なのではないだろうか。
そこで知らない者同士も音楽の力で繋がり、そうした関係が音楽ムーブメントが盛り上がる下地になっていたのではないか。

最近音楽が流行らないといわれがちだが、こうした導火線となる交流が絶たれてしまった現在のライブハウスシーンが、ムーブメントの発端を踏みにじってしまっている可能性はないだろうか?

そうしてすっかり飲みの席へと変化した店内では、ライブ中盤から駆けつけた若手ホープの唄者(奄美シマ唄の歌い手)・前山真吾が周囲に押されてステージへと向かう。
アルコールで上気した状態ながら、三線(三味線)片手に見事なシマ唄を披露する。

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ファンクとシマ唄はまったく違うジャンルではあるが、シマ唄に合わせてMagic Numberの面々もステージに上がり、始まる異種格闘技セッション。
お互いにリスペクトし合いつつの音楽交流は非常に刺激的な光景で、大きな感動に鳥肌が立つ。

「ゲッカヨ」という雑誌はずっと、音楽ジャンルにとらわれずに楽しみ合うことが一番だというメッセージを、選曲に節操のない誌面というかたちで発信してきたがゆえに、この光景はより感動的なものだった。

この時点で私たちゲッカヨは、「奄美に来て良かった」と思った。

ところが後で判明したのだが、このMagic Numberというバンド、活動の中心は神奈川県川崎市の元住吉という街が活動の中心と聞いてびっくり。
そう、元住吉はゲッカヨ編集室が奄美移転前にいたところである。まさに至近距離でそんなライブが行われてたなんて…。
元住吉から奄美大島に来たてのゲッカヨが、初遠征で奄美大島に来た元住吉を根城としたバンドに奄美大島で出会って感動するというこのシチュエーション。いったいぜんたい何かのメッセージなんだったら、神様はどうか教えてほしいものである。

(夫)

●Magic Numberの参考動画はコチラ

 

●Magic Number●LIVE スケジュール

8/20Wed) Magic Number / Finest Breaks & Beats Vol.2 @渋谷NOSORG
8/22(fri) Magic Number vol.10 Guest K.I.N @元住吉POWERS2
8/31(sun) Magic Number @相良WINDBLOW2014
9/1(mon) Magic Number @静岡Livebar Freakyshow
9/18(thu) Magic number vol.11 @元住吉POWERS2
10/30(thu) Magic Number vol.12(1st anniversary) @元住吉POWERS2

 

フルオリジナルアルバム「ハブマンショー/サーモン&ガーリック」
(ディレコーズ 2005/12/24発売)

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「星降ル島ヌ唄/前山真吾」
(2006/10/29発売)

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この記事の著者

編集長(夫)

「ゲッカヨ・オンライン~月刊歌謡曲●電子版」編集長。元・音楽雑誌「ゲッカヨ(旧・月刊歌謡曲)」編集長。現在はエンタメ〜商品レビュー、政治経済まで扱うライター業がメイン。「おためし新商品ナビ」編集も担当。

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